2011年03月30日

『トゥルー・グリット』(ジョエル&イーサン・コーエン監督)『ザ・ファイター』(デビッド・O・ラッセル監督)

■地震のあとやっと映画館へ向かった。何かから逃避するものとしての映画鑑賞。『トゥルー・グリット』(ジョエル&イーサン・コーエン監督)は、エピグラフの箴言に始まり、エゼキエル書や詩篇から不気味な聖句を引用。人物がみな不完全で、格をもたせてもらえず、罪を犯せば誰であれ罰が下るといった筋の通し方に、不条理を諦念のまなざしでみつめる『ノー・カントリー』とはまた違った表現の領域を探る作家の心象が見え隠れしていた。終盤の展開は『ジェシー・ジェームスの暗殺』を連想した。とてもよく出来た映画だと思う。けどエモーションなるものをシニカルにとらえるコーエン節が今一つしっくりこなかったところも。自分個人の問題ですが。

■その点、『ザ・ファイター』(デビッド・O・ラッセル監督)は素直に良かった。しみじみと良かった。「アメリカ映画」の強さを見せつける快作だった。『8mile』とか『ナーク』って、自分の中では同じ枠内の作品なんですが、本作もそう。人物や世界観のリアリズム、巧妙に組み立てられた脚本の上に、役者が全力で「表現」に身を投じるエネルギッシュな芝居場。大好物。しがらみにあえぐ主人公って王道なれど、普遍的な苦悩でもあって。大小の悩みも葛藤も衝突もすべてをひっくるめてぐいぐい先へ進むジャンル映画のパワー。ああ、アメリカ映画っていいなあと思えたですよ。マーク・ウォールバーグの弟っぽい芝居も、クリスチャン・ベールの相変わらず狂った役作りも良かった。役者って職業はすばらしいなと思った。個人的にはメリッサ・レオ演じるむちゃくちゃなおっかさんが大好きだったなぁ。ああいう激烈なおかあちゃん像に惹かれる。

■少しずつ映画を見ていかなくちゃと思い始めています。
posted by minato at 23:43| 東京 ☀| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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