2015年07月15日

ぶれひとの言葉

気分はもう戦前なので、時間を見つけてはヒストリーチャンネルで放映しているナチ、ホロコースト関連ドキュメントを見ている。何百万もの人間を強制収容所に集めて殺戮するプロセスが、映像によってつぶさに検証されていくことで、かえって非現実的な出来事に思えていく。なんであんな想像を絶する大虐殺が可能になったのか、かえってわからなくなっていく。

並行してひたすらブレヒトの戯曲を読む。ブレヒトの戯曲は非リアリズムだし、人間は名前を剥奪された記号、物語は寓話、そこに幾重にも政治的メッセージを編み込み、観劇した観客に束の間のカタルシスを与えるのではなく、現実の「行動」へ誘う、という性質を持っている。そうした手法がなんだかとっつきにくくて、長らく敬遠してきたのだが、上述のドキュメントで1930年代から40年代の東ヨーロッパの映像を重ね合わせながらブレヒトの生きた現実を考えると、俄然、台詞の響き方が違ってきた。劇の激さ、強さ、怒りがぐいぐいと迫って来た。

なかでも『第三帝国の恐怖と悲惨』『カラールのおかみさんの鉄砲』など、同時代を背景とし、比較的リアリズム寄りの手法で書かれた作品は、分厚さや強さはなくともひしひしと激しい。『第三帝国〜』なんてロッセリーニの戦争三部作みたいだ。当時としてはルポルタージュな性格もあり、ファシズム批判という明確な意図のもとに書かれたと思うが、荒々しい現実に言葉でもって拮抗しようという劇作家の叫びが、読んでいる間じゅう、胸に刺さり続けた。

戯曲の言葉も、脚本と同じように、単に書かれただけでは完成品ではないはずだが、1930年代の言葉が、当時の映像資料という弁士の解説によって脳内スクリーンに蘇り、たとえば映画を見ながら脚本を透視して(凄い脚本だな)と感嘆するように、一巡して、ああやっぱり言葉は凄いと唸ったような感じだった。それまで萎れていたのに、水につけたらまた命を取り戻す花みたいだった。

ちなみに先ごろ、ある劇団の上演した『セチュアンの善人』を観劇したが……ブレヒトの深い思惟や思いのたけの籠った言葉も、解釈者の目線が半径5メートル内にしかないのであれば、戦慄するほど矮小化されてしまうのだなあと背筋が寒くなった。言葉は読む者にその生命のゆくえを委ねる。生かすも殺すも……自分次第、あなた次第なのだ。かといって敬して遠ざけるような真似は必要ない。むしろブレヒトのような古典の言葉にこそ現在を読み解く鍵が潜んでいるし、だれかの偉大さを知ることは自らの小ささを知ることであって、それは前向きな営為だと信じる。

ブレヒトという戦時下の物書きが、どんな言葉を使ってナチという現実に立ち向かっていたか。自分は彼のことをよく知らず、戯曲以外の文章はたいして読んでいないけれど、ひたすら水につけることで花を咲かせ、その花が何を言わんとしているかにジッと目を凝らしたいなどと思う7月15日の朝なのだ。
posted by minato at 07:36| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月02日

バタバタと

日々が過ぎてもう何年経つやら……。

色々なことがありました。色々な仕事をさせて頂きました。

おかげさまでバリバリやらせて頂いております。
これからもバリバリやりたいなと。

いや、特に書くことはないんだけど、久々に更新してみたよ。
posted by minato at 14:41| 東京 ☀| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月30日

今年もありがとうございました

2013年は素晴らしい一年だった。

1月公開の『ナイトピープル』(門井肇監督)を皮切りに、2月には『インターミッション』(樋口尚文監督と共同)、5月には『百年の時計』(金子修介監督)が公開され、10月には構成を務めたフジテレビNONFIX『僕たち女の子』(小野さやか監督)が放映された。

『ナイトピープル』ではDVDのコメンタリーというものを初めてやらせていただいた。画面に『ホワイト・ジャズ』(文藝春秋)ハードカバー版が映り込んでいるなんて誰も気づかなかっただろう!フハハハハ!面白いからみんな買うのだ(自画自賛)。

『インターミッション』では、樋口尚文監督の途方もない情熱と行動力にアテられ、その熱気のなかで、これまで見ることのできなかった景色をたくさん目にすることができた。逆巻くあの日々は、まるで夢だったような気がしている。この映画に関わることは、銀座シネパトスという、歴史ある映画館の最後に立ち会うことでもあった。足繁く通った成人映画館・新宿国際劇場も閉鎖されて、何かの終焉をいやでも意識せざるを得ない一年だった。

『百年の時計』は思い入れの深い映画。先行公開された高松の映画館で見て、地元の方々と飲んだ楽しい一夜があったり、金子監督ともども故郷の延岡シネマ上映会&トークにお招き頂き、親孝行、地元孝行、そして自分を育ててくれた映画館孝行がちょっぴり出来たかなと思えたりした。この映画にまつわるすべての出来事は、幸福の一語に尽きる。

『私の奴隷になりなさい』は去年の映画だけど、主演の壇蜜さんがあっという間に国民的なスターになられて、今では「壇蜜さんと握手したことあるぜ!」と周囲に大いばり…何をやってるんだおれは。10月の立川シネマシティさんでの上映は素晴らしい上映環境で感動しました。

『僕たち女の子』は『原発アイドル』に続く小野組との仕事。構成という仕事やTVドキュメンタリーという媒体は相変わらず不慣れで、暗中模索。被写体のみなさんの重い決意に釣り合うナレーションを書こうと必死でした。放映後の反響がめちゃくちゃ大きくて、やっぱりテレビって凄いと思った。この作品、大好きです。

文筆方面では、福間健二監督の『あるいは佐々木ユキ』と小林政広監督の『日本の悲劇』の劇場用パンフレットに原稿を書かせて頂いた。尊敬するお二方の作品にじっくり向き合うことで、多くを学びました。これでもう、映画がらみの原稿執筆には思い残すことがないです。『フィギュアなあなた』のトークイベントで石井隆監督と同じ壇上に上がったことも一生の思い出になりました。仕事を頑張っていると、こうした嬉しいご褒美があるものなのだなあ……と感慨深いです。

脚本は映画が公開される一、二年前に書かれる。だから来年公開される映画はどれも今年書いたもの。2月22日に『赤×ピンク』(坂本浩一監督)、春に『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』(青山裕企&伊基公袁監督。伊基公袁と共同)、5月に『花と蛇 ZERO』(橋本一監督)が公開予定。当然の話ですが、どの作品にも精魂込めました。何卒宜しくお願い致します。

走り続けた一年でした。来年もがむしゃらに走り続ける所存です。
正月休みなんていらねえよ!(泣)。

仕事を通してお世話になった方々、上映・放映に携わった方々、そして作品をご覧くださった方々、本当にありがとうございました。

来年からも何卒、宜しくお願い申し上げます。

ではでは良いお年を!
posted by minato at 22:00| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月01日

あけましておめでとうございます

謹賀新年。

去年は「映画の脚本を書きたい」という悲願を、いろいろな方々のお力添えのおかげで、いくばくかかなえることができました。それによって、以前には希薄だった心の充実が感じられるようになりました。

同時に力不足、勉強不足を痛感する場面も多く、学ぶべき事柄の多さに途方にくれています。大嫌いだった「勉強」という言葉が、今は至高の価値をもって映ります。時間さえあれば本を読む、という日々が今年も続くと思います。死ぬまで続くような気がします。それはとても前向きなことである、という認識です。

これから5月までのあいだに、何本かの脚本作が公開されます。

1月19日からは銀座シネパトスで『私の奴隷になりなさい』(亀井亨監督)のディレクターズカット版(R18版)。http://www.dorei-movie.jp/

1月26日からはシネマート新宿で『ナイトピープル』(門井肇監督)。
http://www.u-picc.com/nightpeople/

2月23日からは銀座シネパトスで『インターミッション』(樋口尚文監督と共同脚本)。
http://pathos-lastmovie.com/

そして5月にはテアトル新宿で『百年の時計』(金子修介監督)。
http://100watch.net/

一本、一本、自分なりに力を尽くしたつもりです。

ご覧いただければ幸いです。

正直なところ、書きたい気持ちはあふれかえっていて、もうひとり自分がいたらな、と思うことがしばしばです。書きたいことをすべて書くには、あまりにも時間がなさすぎる。けれど、ひとつひとつの創作や仕事に対し、慣れたり、調子に乗ったりしないよう(調子に乗りやすい性格なので)、毎回新鮮な気持ちで取り組んでいけたらと思います。

そして、切実さにもとづいてものを書く、ということができたらと思います。

とりとめもありませんが、本年度も何卒、宜しくお願い致します。

2013年 元旦 書き初めにかえて
posted by minato at 10:51| 東京 ☀| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月31日

今年もお世話になりました

今年も多くの方々にお世話になりました。

みなさまには感謝の言葉しかありません。

シナリオの仕事自体なかった数年前にくらべると、今年は夢のようでした。

これに慢心せず、今後も精進致します。

それでは良いお年をお過ごしください。
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2012年04月30日

ありがとうございました

『夜だから』ヒロイン公募、先日、受付終了致しました。応募して下さった方々(想定よりずっと多くの方がご応募くださったのでびっくりしました)、ツイッターでRTして下さったり情報を広めて下さった方々、誠にありがとうございました!
posted by minato at 13:05| 東京 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月13日

脚本作の映画『夜だから』のヒロインを公募します

○今夏撮影を予定している脚本作『夜だから』のヒロインを募集いたします。
募集要項については下記URLを参照してください。

本気で表現者たらんとする女優をお待ちしております。

http://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=382327925135450&id=100000747369036

劇場公開予定の長編映画において、主要な出演女優さんを広く公募いたします。
希望の方は、以下の応募要項をお読みいただき、プロフィールを送付先アドレス宛て、お送りください。

〇作品タイトル 『夜だから』

〇あらすじ
精神的不調からステージに立てなくなったダンサーのエリカは、知り合いを頼って海辺の小さ な町に身を寄せる。
そこで、タイチという寡黙な肉体労働者と出会い、衝撃的に関係を持ってしまう。
寄る辺なき二人は共に暮らし始めるが、それは魂をぶつけ合うような、激しい愛の旅の始まり だった――

〇作品内容
『ベ ティ・ブルー』『ポンヌフの恋人』のような、女性向けの恋愛映画を目指しています。

〇募集キャスト

@エリカ(20代〜30代前半)
ヒロイン。コンテンポラ リーダンサー
応募条件 今作品におい てヌードになる事が可能な方

A遊郭の女(10代後半〜30代前半)
むかし遊郭だった街に現 れる幻想的な存在。
応募条件 特にありません

※なおタイチ役に付いては、多数のメジャー映画に出演されている俳優さんをキャスティング 済みです。

〇スタッフ
監督     佐藤福 太郎 「みやづのうた」「わらわれもしない」ほか
脚本     港岳彦    「結び目」「ヘクトパスカル」ほか
撮影監督  早坂伸    「結び目」「東京大学物語」「リアル鬼ごっこ」ほか
企画P    大原久澄 (脚本家・日本シナリオ作家協会所属)
制作     Jill Motion   http://www.jillmotion.com/movie.html

〇撮影時期
2012年7月上旬から 中旬にかけて10日間ほどを予定
6月中に本読み・衣装合わせなどあり

〇撮影地 京都府宮津市

〇出演料 応相談

〇プロフィール送付先
matu@soleil.ocn.ne.jp
件名を「夜だからキャス トエントリー」でお願い致します。
同時にメール本文に、【エリカ希望】または【遊郭の女希望】・【エリカと遊郭の女希望】と
必ず記載をお願い致します。
上記の記載がない場合、見落とす可能性があります。

〇プロフィール提出締切 り
2012年4月27日

書類審査通過者の方は オーディション・面接をお願い致します。
大変申し訳ございません が書類審査通過者の方のみに5月7日までに
連絡をさせて頂きますこ とをご了承下さい。

オーディション・面接日
2012年5月11日  東京都内を予定しております。

以上、意欲ある女優さんの応募を、お待ちしております。
よろしくお願い致します。
posted by minato at 08:28| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月28日

いろいろあるよ

■口癖のように「忙しい」と言っておりますし、実際、映画一本見に行くヒマもありません。先日は某企画のために某監督ともども某地方都市にシナハンに出かけまして、地元の新聞やTVにわりかし大きく写真が載りました。いえ、監督の隣にいたところ、たまたま写り込んだだけですが……。シナハンはとても楽しい経験でした。頭の中で暫定的に物語世界を仮構したうえで現地に降り立ち、現物に接し、そこに生きる方々に接し、お話を伺うことで、ビジョンというものはより良く刷新されます。血が通い始めます。この映画がうまくいきますように。それ以前に、猖獗を極める改稿作業がうまくいきますように……。

■年明けに撮影を終えた原作ものの某映画は秋ごろ公開の予定で、現在鋭意編集中だそうです。原作が面白く、キャストが豪華で、監督も海外での受賞歴が多い方で、撮影が『結び目』の早坂さんだから(自分が是非にとお願いしました)、これはもう面白いに決まっています。タイトルやキャストの情報も一部では出ているのですが、さしあたり控えておきます。ほかにも近々情報公開できそうな企画と、オーディションを必要とする企画とがあります。詳しくはもう少々お待ち下さい。なんせこういう時期は脚本の直し・直し・直しで忙殺されているものでございまして、あまり未来のことを考えている余裕もないのです。余裕がないと明け方こうして気まぐれにブログを更新したりしてしまうのです。そして某散文作品の〆切をもう半年以上延ばしているので、担当者様にいつ刺されてもおかしくはないのです。Oさん、本当にごめんなさい。ちゃんと面白くしますので……。

■4月からのシナリオ講座の受講生はまだまだ募集中です。

http://www.scenario.or.jp/kouza/class/foundation.html

■自分は映画学校を卒業後、馬場先生がここで教鞭をとると聞いて受講しました。基礎科研修科を合わせた一年間がその後の十年を決定づけたところがあります。悪いようにはしないつもりなので、ご興味ある方はどうぞいらしてください。

■痩せたい。
posted by minato at 06:03| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月26日

撮影中

脚本作が撮影真っ最中でございます。まだ内容は明かせませんが、初めて取り組むジャンルであり(しかしずっとやりたかったジャンル)、半年かかったホンであり、非常に思い入れは強いのですが、何よりもキャストの方々が大変豪華でございまして、純粋に興奮しております。スタッフの布陣も最強なので、自分としては不安は一切ありません。無事に撮影が済むことを祈るばかりです。

ほかにもいくつかの企画が同時進行しており、いずれも勝負作だと認識しております。頑張ります。仕事をやり遂げることしか、さしあたり出来ることはないなという感じです。

「シナリオ倶楽部」で成島出監督をお招きしたこともあって(大盛況でした)、未見だった『八日目の蝉』『孤高のメス』を拝見しました。どちらも傑作でした。色々な意味で打ちのめされた感じです。ワンショットごとの充実した手ごたえと、強靭でゆるぎなき構造。重心の低い人間描写。この力強い感動の源泉は何だろう。メジャー映画というのは実力勝負の場なんだということを、作品自体が強烈に教えてくれました。俄然、向上心がわいてきました。まだまだ道は遠いですが、今後も精進する所存です。



……真面目か!
posted by minato at 16:10| 東京 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月02日

今年もよろしくお願いいたします

あけましておめでとうございます。

昨年はたいへんお世話になりました。

……どなたに?

不特定多数の、そしておおぜいの方々に。

人があって自分がある、人があって仕事がある、としみじみ思いを至らせるお正月でございます。

もう、感謝だけです。

お世話になってばかりでなく、少しでも多くの方に恩返しのできるような人間になろうと思います。

ことしも何卒、よろしくお願い致します。


港岳彦
posted by minato at 21:24| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月31日

2011年の終わりに

大きな出来事ばかりが立て続けに起きた一年だった。それらをひとつひとつ振り返る精神的な余裕も、時間的な余裕も今はない。元旦までに脚本を一本提出せねばならないし、年賀状も書いていない。色々あった一年だけれど、2011年の終わりに、仕事のこと、表現のことを少し書いておこうと思う。

ことしは例年以上に多くの仕事をこなした。けれど、一本も映像化されていない。目に見える形での結果は残せなかった。それでもすばらしい出会いがいくつもあった。尊敬すべき監督やプロデューサーとの出会いが、脚本に対する考え方、「映画」の捉え方について、視野を大きく広げてくれた。才能豊かな映画人たちとのご縁が自分にもたらしたのは、これまでのやり方は通用しない、という危機感だった。いや、そもそもこれまで自分の表現が大向こうに通用したためしなどありはしないのだ。

危機感の根っこには、自分の立っている場所で求められる表現が、これまでとは異なってきたということもある。日本映画界の状況とも少し関わっている。震災によって揺らぎの生じた死生観、師匠の死によって豁然と響き始めた「個として立て」という内なる声、「未来を自分の手で創れ」という誰かの声が切迫感を煽り立てている面も無視できない。

それに呼応する形で、今後、物語を紡ぐ上で必要なことは何だろう、ということをずっと考えてきた。思念を机上の空論として弄繰り回していると思われては困る。常に仕事の中で、実践の中で考えてきた。ことしの下半期になって、何となく掴めてきた。それは大雑把に言うと「大きな物語は死なない」ということである。普遍が指し示すものをこれまで以上に凝視することである。表現としての「強さ」を志向することである。映画は終わるかもしれない。でも劇は決して滅びない。その深い確信が、今の自分にはもっとも必要なことだった。

こうした個人的な探求は、観客に対してより強い表現を提示したいという欲求と結びついている。俗な言い方をすれば「観客」というものをより明確に意識し始めたということである。今後、そのための努力は惜しまないつもりだ。まあ結果がどうなるかは神のみぞ知る、ですが。

そういうことです。これが波乱に満ちた2011年の締めくくりの言葉なんだろうかと我ながら呆れるが、美は乱調にあり、表現への気持ちが純化していることを今は肯定的に捉えたい。個人的に考えていることが、大勢の人間が見る映画の根幹にストレートに反映されると信じていたい。

ことしは誰にとっても大変な一年だった。その重さをしっかり引き受けつつ、来年は良い年にしていきましょう。

ことしも一年間、ありがとうございました。
posted by minato at 03:30| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月16日

携帯復活しました

■携帯復活しました。
posted by minato at 00:16| 東京 ☀| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月15日

携帯止まってます

■あー、一応こちらでも書いておきます。お金がなくて携帯を止められてしまいまして。当分電話も携帯メールもできません。ご了承くださいー。

posted by minato at 08:16| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月02日

たまには更新

■あっというまに10月になったのでたまには更新しようと思う。だが忙しすぎて、というより、季節の変わり目で体調不良が続き、書くこともこれといって思い浮かばない。何本か映画を見たがそれについて書こうとすると真面目に書き始めるので何となく避けている。試写会にはぜんぜん行けていない。仕事の話は、したいけどできない。映画は大変だよ。書いても書いても終わらない。いくら書いても稼げない。書きあげてしまったら、あとはとにかくうまくいってくれと願うしかない。脚本家は非力な職業みたいです。

■ギリシャ悲劇を継続的に読んでいる。アイスキュロスの不動の偉大さ。ソポクレスの構成術とお説教。エウリピデスの共鳴するところの多い女性観。2500年前、ギリシャはアッティカ出身の悲劇詩人たちは凄いよ。結局すべては古典にあるのだよな。おかげさまで表現そのものへの見方が変わりつつあるよ。そして劇作についての関心はますます深まりつつある。実作にフィードバックしたいな。時間ができたら本気で芝居をやりたいと思うのだが、そういいながらいつも機会を逃がしている。もう「いつかは○○をやろうと思っている」とか言ってる歳でもないのにな。だからやる。どんな形でかはわからないけれど。

■そんなこんなでみなさま良い秋を。
posted by minato at 21:15| 東京 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月18日

えーと

忙しいです。お盆もへったくれもなく。ただひたすら仕事です。

最近読んでいちばん印象深かったのはカミュの『カリギュラ』です。

これを機に、改めてカミュに向き合おうと思っていますが、どうなることやら……。

そんなこんなで、みなさまどうか熱中症に気をつけてご自愛くださいね。
posted by minato at 23:32| 東京 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月22日

『結び目』ニューヨークへ行く

■ニューヨークで開催中の「ジャパンカッツ」において、『結び目』が上映されました。クリス・ネルソンさんという方がレビューを書いて下さっているのですが、どうやら絶賛してくださっているようです。

http://www.dreamlogic.net/archives/the-knot-%E7%B5%90%E3%81%B3%E7%9B%AE-musubime-movie-review-japan-cuts-2011

■しかし当方、英語力ゼロなので、きっと絶賛であろう……という憶測。ツイッターで著名な翻訳家の方が「絶賛している」と仰って下さったので、間違いはないと思います。

■こういうことがあると、「もう少し頑張ろう」と思えますよ、ホントに。ありがたい限りです。
posted by minato at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月13日

悲しみと日々

■震災以降、あまりにも多くのことが起きてしまった。ひとつひとつの出来ごとに、ただ翻弄され、ただ虚ろになって過ごしてきた。3.11以前の生活には戻れない、と思ったけれど、3.11以降の毎日は、個人的な精神生活の中に「以前/以降」といった区分けすら無効化する緊張状態を強いてきた。仕事の重なったことが、そこに焦燥感と異様な昂揚感を加味させた。日々に現実感がなかった。今もない。根底にあるのはひどい悲しみだ。たとえば一つ喫緊の課題を解決したとする。ほっと一息つくなり、身を潜めていた悲しみがじわじわ立ち昇ってくる。ずっとここにいたよ、と言わんばかりに。わかってる、とその都度思う。意外なことにそこへ感傷の忍びよる隙はない。悲しみとは厳粛なまでに重いものである。腹に沈んだ鉛の塊みたいなものだ。

■悲しみと歩む日々は、実りの乏しい現在と悲観的な未来を見せつける。不眠を誘う。名状しがたい苛立ちと憤りが心の隅にいつも燻っている。攻撃的になる。刹那的になる。突然すべてを投げ出してどこかへ逃げたくなる。それをしないのは単に臆病だからだ。ありがたいことに、この世には時間というものがある。時間は次々と現在を過去にしていく。現在は永続的なものではない。だから悲しみと日々もやがては過去になる。そう信じて時間に縋る。また、仕事というものがある。ストレスをため込むだけの仕事もあるが、ああちくしょう、こいつが映画になったら最高に面白いぞ、と思える仕事もある。どれもこれも金にはならないが。

■なんにせよ、もうつまらないことに時間を費やしたくない、という気持ちが高まっている。人生とは有限であることを突きつけられ続けた数ヵ月だった。人は死ぬときに何も持っていけない。現在を精いっぱい生き抜くことにしか人生の価値はない。自分の場合、生き抜くことを動機づけるものはさしあたり仕事しかない。他には何もない。脚本の仕事をいつまでできるのかわからないが、できることをできるうちにやるしかない。無理に前向きな気持ちになろうとしているのではなく、現実的にそうとしか言えないのだ。

■やるべきことをやり、やりたいことをやってしまったら、あとは野となれ山となれ、だ。
posted by minato at 21:49| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月05日

馬場先生さようなら

■馬場当先生のお通夜と告別式、ぶじ終わりました。今回の葬儀では河本瑞樹さんが中心となり、先生の教え子やお弟子さん、朝日カルチャーセンターの元生徒さん、俳句の会のメンバー、自分の映画学校の同期、いまおかさんや坂本礼さんといった映画監督、日中シンポジウムの先生の仲間である脚本家の門馬さんなど、多くの方々が裏方としてお手伝いをしました。また日本映画学校の現役の生徒や卒業生も、我妻さんや河本さんがお声掛けして、色々とお手伝いして下さいました。それもこれも先生の人徳というほかありません。皆さまにはご遺族の方々も大変感謝しておられました。自分も何人かに声をかけてご協力をお願いしましたが(というよりみんな申し出て下さったという方が正しい)、その方々へ、この場を借りて深く御礼申し上げます。

■先生は三月十一日の震災前後から体調を崩され、三月十八日に入院しました。自分がそのことを知ったのが四月の中旬です。以来、ご家族の皆さま方と、シナリオ講座の自分の同期である中村さんと、映画学校の前身である横浜放送専門学校の出身者の方々、後半は映画学校同期の石川さんにもお願いし、週一ペースで順番に付き添いをしてきました。はじめはお元気な様子で色々と我がままを言っては困らせてくれたものですが、六月中旬あたりから少しずつ元気をなくし、六月二十三日には酸素マスクをつけて個室へと移されました。そして六月二十九日夜の二十二時五十七分、眠るように息を引き取ったとのことです。

■自分が付き添い担当の日には病室で色々な話をし、個室へ移された際にも、届いたかどうかはともかくとして、伝えるべき言葉はお伝えしました。だから自分としては心残りはありません。もちろん馬場先生本人は大変に不服だと思いますが……。

■自分にとって、馬場先生の存在はあまりにも大きすぎます。日本映画学校の面接試験の際、面接官として初めて接したのを皮切りに、シナリオに関しても、生き方に関しても、また、人生の経路そのものに関しても、先生からは誰よりも大きな影響を受けました。だから去年、川崎市民ミュージアムで「脚本家・馬場当」特集が催されたときはご本人も大変喜んでいましたし、自分もなんだか自分のことのように嬉しかったです。

■こういうありきたりな「結び」はご本人から煙たがられそうですが、それでもやはり、馬場先生のご冥福を心よりお祈りいたします。
posted by minato at 17:22| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月30日

馬場当先生死去

■『復讐するは我にあり』『乾いた花』『サヨナラCOLOR』等の脚本家、馬場当氏が6月29日(水)午後10時57分、悪性リンパ腫のため亡くなりました。自分の師匠でした。

■取り急ぎとなりますが、葬儀を以下の通り執り行います。

おおぜいの人が集まることが大好きな方でしたので、みなさまぜひいらしてください。

■通  夜:7月  3日(日)午後18時00分〜

■告 別 式:7月  4日(月)午前 9時30分〜

■場  所:葬儀式場 鶴見ほうさい殿

http://www.sougi-itabashi.co.jp/housaiden/18tsurumi/18map.html

■住  所: 〒230-0051 横浜市鶴見区鶴見中央2-9-20 

■T E L: 045-508-7676
■F A X: 045-508-7833

喪  主: 馬場陽子(妻)
posted by minato at 18:28| 東京 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月20日

告別式

■橋本先生の告別式に参列してきた。葬儀場は小田急線沿線の黒川という平和な雰囲気の街にあった。訃報に接して以来、映画学校の頃のことが思い出されてならなかった。世界各地を放浪した経験から「二十代はまったく後悔していない」という先生の言葉に打たれたことや(自分には絶対言えない台詞だと思ったし、実際そうなった)、終電を逃して百合丘の自分のアパートに泊まってもらった夜の他愛ないお喋り、ドキュメンタリー実習でのつぶさな指導、自分の撮影の腕を高く買って下さったことが長い間ひそかな自慢だったこと、一年の夏休み前に、若いうちに読むべき本を何十冊も書いた紙をプリントして生徒に配ったこと……。また、先生は自分が同居していたマナベさんのことを誰よりも気にかけていた。先生と話しているとよくマナベさんの話になって、自分は少しマナベさんに嫉妬したりもしたのだ。

■上京したばかりの田舎者の自分にとって、親しみやすく、接しやすく、優しい先生だった。故人のことは悪く書かない、という慣習に従っているわけではない。実際にそういう方だった。また、先生は誰よりも世の中を楽しんでいるように見えた。生徒間でトラブルや面倒な事態が起きると妙に嬉しそうだった。それは「人間好き」ということである。うちの師匠もそうだが、人間好きの先生があの学校は多かった。それがこういう業界で生きる大人のあり方なのだと、後々自分は思い知った。

■最後にお会いしたのは、『ヘクトパスカル』のチラシを学校に置きに行った時だったような気がする。地下一階のトイレで偶然隣り合わせた。連れションしながら「すみません、まだ先生の映画(『1000年の山古志』)見てなくて…」というと、あの優しい笑顔で「見てよ〜」と緩やかに言って去ったのだった。

■告別式を終えて、来ていた同期やことし卒業した元橋本ゼミの子らと、新百合ケ丘の夢庵に行った。学生時代、アホみたいに通った和風居酒屋だ。あの頃よく注文していた天丼を食べた。家に帰り、いっしょに天丼を食べた子から「今も仲良くみんなが会えるのは信ちゃんのおかげでもあるんだね」とメールがあって、なんだか泣けた。これまでそんな風に考えたことはなかったけれど、確かにその通りだった。

■深い感謝と共に、橋本先生のご冥福をお祈りいたします。
posted by minato at 23:00| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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