2009年09月14日

( ̄Д ̄;;

人間、年をとると偉そうにしたくなる。自分がたいしたことをしてこなくても、若い人間を見下して、偉そうに振舞いたくなる。「若い奴は〜」とか言って、ふんぞり返りたくなる。ある種の特権だし、自然な欲求のひとつだと思うし、若い人間が、年上の人間を敬うという姿勢は尊いものだとも思う。でも世の中には、「偉そうにしたい」という欲望だけで生きながらえて、結果、年齢しか威張れるものがないおっさんがいるらしい。どうやら他人事とも思えないし、そういう取るに足らない、醜い人間にも光を見出すのが作家の務めだと俺は信じる。

……が、醜いものはやっぱ醜いだけだな。


執筆に没頭。そろそろ目鼻つきそう。でもこの「T」って企画、これからが長い。実現まであと何年かかることやら。気が遠くなる。放置してあったその他の企画も明日あたりから着手。年越せるかな。

WOWOWで『ダイ・ハード3』やっててつい見てしまう。なんだかんだ言って大好きな映画。わざと荒っぽく作った感じがいい。この頃はまだ人間臭さや泥臭さがアクション大作にも生きていた。9.11もまだ起きていなかった。公開当時、先行レイトショー見にいって、タイトルが出た瞬間、劇場が大拍手だったことをよく覚えている。そのことを派遣先だったアパレル会社の人に嬉々として話した。「フーン」と白けられた。苦い思い出。今なら少しだけ相手の気持ちもわかる。

石井隆の公認ファンサイトがオープン。すげえ凝ってる。

http://fun.femmefatale.jp/
(音が出るので注意!)

石井隆は90年代中盤、すなわちあたいの青春時代のヒーロー監督。今では女性観にちょっと違いを感じてしまっているけれど、それでも絶大な影響を被ったことに変わりはない。「インタビュー」欄で、管理人へのメッセージに顔文字を使う石井隆……。遠藤ミチロウが顔文字使ってるのを見て以来のかるーいショック。でもそれもまた麗し。
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2009年09月13日

WOO CHILD

夜、ある女の子からメール&電話。びっくりした。夜の街へ風のように消えたと思っていた。もう声を聞くこともないと思っていた。ちゃんと生きてた。頑張ってた。良かった。本当に良かった。また飲もう。わけのわからんメンツ集めてさ。この地べたの底から這い上がろう。俺も頑張るよ。
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2009年09月08日

IN RAINBOWS

昨日は徹夜明け、うっちーと延々五時間打ち合わせ&雑談。面白いねぇ、映画作りって。ようやく活路を見出す。練馬「やすべえ」でつけ麺喰って帰宅し、零時前に床について昏昏と眠る。が、午前三時には目が覚めてしまう。たっぷり寝たかったのに、結局四時間しか眠れない。朝日が昇るのを待って公園まで走りに行く。空から小さな塊が降ってくる。青い蕾のような団栗だった。夏はもうどこかへ消えてしまった。

『転落の後に』を読み終える。言葉もない。非常に重層的な作りだけど、中でも、マリリン・モンローをモデルとしたマギーというキャラクターに泣かされた。おばかで、夢見がちで、人に騙されやすく、常に不安で、とことん心が弱くて、だから人に尽くそうとして、従って人から食い物にされて、でも「自分はばかじゃない」と思い続けていて――。こういう女の人にどうしようもなく惹かれる気持ち、痛いほど分かる。「救いたい」、主人公はそんな気持ちに駆られ、彼女と結ばれる。でも人が人を救おうとする中には欺瞞が潜む。結婚生活は破綻に終わり、二人は憎み合い、いがみ合い、終盤に至るまで激しい傷つけあいを繰り広げる。彼女の描写に脈打つヒューマニズム、アメリカ産戯曲の真骨頂だと思う。そして、神無き世界で希望を探るという営みのいかに困難なことか。だからこそ、人は神を作り続ける。壊れたマギーに会うために、あと何度読み返すんだろう。

ブックオフに立ち寄る。色々買う。レディオヘッド『IN RAINBOWS』買う。800円也。全曲、タダでネットに転がってる。去年の冬はこのアルバムに入っている「RECKONER」と「HOUSE OF CARDS」を聴き狂っていた。でもそういう利便性に抗いたい。それに一曲一曲個別に聴くのと、一枚のアルバムとして構成されたものを聴くのとでは大きな違いがある。「構成」とは何ぞや、ということを人はあらゆるものから学ぶべきだ。

あとはひたすら書く、書く、書く。
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2009年09月06日

転落の後に

この週末は、いまおかさんの映画の初日(試写で見てるけどさ)や某試写室のこけら落しや下北沢の芝居など、行きたい催しが目白押しだった。……全滅。みなさん、不義理ばかりですみません。その代わり遊びにも行ってないです。ひたすら仕事。

夜、猫と一緒にベッドからもぞもぞ起き出して、真っ暗な公園を30分黙々と走り、風呂入って、コーヒー淹れて、先達の偉大なる戯曲集を紐解いて、PCに向かって、イライラして、イライラして、めし喰って、mixiアプリの漢字検定やったり、youtubeぼーっと眺めたり、(谷桃子のお尻は天下一品だな!)とか、そうした現実逃避に走ったり、深夜営業のファミレス行って、ぼんやり過ごす寄る辺なき人々をぼんやり眺めたり、帰宅して戯曲に戻って、(昔の人は凄いなぁ)なんて読みふけるうちに夜が明けて、シナリオがまるで進んでいないことに焦って、焦ることに疲れて、サンドイッチ喰って、いつのまにか午後、寝る――そんな毎日。しんどい。早くトンネル抜けたい。でも……けっこう幸せ。

勉強が足りないといつも思う。誰かが書いてた。30代前半までに積み上げた財産で、残りの人生が決定されると。その文章を目にした時、ゾッとした。俺、何も財産を築いてないじゃん! ここでいう財産とは、言うまでもなくお金のことじゃない。人生経験だったり、勉強量だったり、思考の蓄積だったり、です。だから今、必死に「読む、そして書く」を実践しようと試みている。

今読んでいるアーサー・ミラーの『転落の後に』って作品で、主人公の男が、公園で素敵におばかな娘と出会い、恋に落ちる場面がある。帰宅した男はそのことをあけすけに妻に話す。妻は当然、怒る。そこへ電話が鳴る。親友の自殺を知らせる電話だ。公園の娘とお喋りに興じていたその時間、男は親友を救うための会議に出席せねばならなかったのだ。彼は娘との話に熱中するあまり、それを失念していたのだった。こうして彼は妻と親友を同時に失い、その代わりに、おばかな娘と結ばれる。ナンデスカコノ構成術。悲劇を生むシチュエーションの緊密な絡み合いに放心した。

古典的名作と呼ばれる作品には、こうした驚きと衝撃がぎっしり詰まっている。それが自作のシナリオに反映されているかと言えば、(おめーには豚に真珠だったよーだな)ってなもんだ、正直。そりゃもう残酷、いや、滑稽なくらいに。だけど、聳え立つ高い塔を見上げることで、ちっぽけな向上心ってやつがその火を絶やすことなく燃え続ける気はするのだな。ま、心ばかりあったって仕方ないけど。
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2009年09月04日

亀はトイレの水に棲んでいる

読む、そして書く――とは作家志望者に対するS・キングの至言。喰う、そして寝る。が最近の私。筆が思うように進まず、苛々している。気分転換にと丸坊主にした。ソーニャは人の髪型にうるさい。散髪して戻ってくると、いつも首をかしげて「うーん、イマイチ」みたいな目で見やがる。

オニール読む。イプセン読む。「よっしゃ」と呟いてPCに向かう。……笑うしかない。そりゃ不貞寝もするわさ。

こないだ夢で見て以来、気になっていたサム・シェパードを引っ張り出す。二十代の時に、「モーテル・クロニクルズ」とか一幕物の戯曲集は一応目を通した。ちっとも面白くなかった。「埋められた子供」だけがめちゃくちゃ面白い。夢の暗示は大事にしようと思う。映画は夢そのものだから。「劇」を携えて虹の橋を目指す。あれはなかなかいい夢だった。

「月刊シナリオ」最新号の作家通信欄で、松田昭三氏が「ここ数年、ギリシャ悲劇ばかり十数回読み返している」といった内容の文章を寄せている。ああいうのを目にすると、身が引き締まる。あの大ベテランでさえそうなのだから、最底辺の俺みたいなのがボケーっと過ごしてていいはずがない。

戯曲を読んでからにしようと、ずっと我慢してきた『ダウト あるカトリック神学校で』(ジョン・パトリック・シャンリィ監督)見て、ポカーンとなる。思ったよりずっとマニアックな世界を描いていた。自分の頭の悪さを心底呪いたくなった。あと何回か見ないとわからん。しかし最近見たアメリカ映画はどれもクソ面白い。『フロスト/ニクソン』もおもろかった。

こないだある監督の新作を上から目線で論じてる評論屋の文章を読んで、(あー、俺はこんな人間にならなくて良かった)と心から思った。幸せかい? 憂さは晴れたかい? と、「憐み」という、上から目線の気持ちがわいた。人が映画を見るとき、人もまた映画に見られている。同じ時期、二十歳の学生のシナリオを読む機会があった。下手だった。未熟だった。でもまっすぐだった。あがいていた。そこに読む価値があった。何かにあぐらをかいていない人の文章は面白い。

評論とシナリオを並べて論じても仕方ないという人もいるかもしれない。でも並べて論じ得る評論、「創作」と言い得る文章を書く人もいるのだよ。おめーらも同じくらい血を流せよ、といつも思う。


夕べ、亀の夢を見た。亀の夢はいい夢らしい。だがどう見ても『百年の絶唱』に出てくる陸ガメだった。亀は水洗トイレの中に棲んでいた。汚れた水にじっと息を潜めたその姿に、妙に勇気づけられた。
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2009年08月31日

摩天楼を夢見て

雨が降りしきる中、劇中の大半で雨が降りしきっている『摩天楼を夢見て』(ジェームズ・フォーリー監督)。シナリオと芝居が凄けりゃ映画は後からついてくる、という強引なる傑作。現代社会において古典的な意味合いでの「悲劇」が成立するか否かをマメットは延々と追求してる気がするんだけど、これはほんっとに良く出来てる。骨太で、でも繊細で、どこまでも緻密で、人の肌をジリジリ焼き焦がすような構成術。人物の描き込みが徹底しているから、役者が全員、乗りに乗りまくっているのがわかる。彼らのイキの良さ、勢いが、結果的に画面を活気づかせ、映画を傑作たらしめている。それが理想なんじゃねーの? と、思う。

こういう作劇って、たぶん古典への造詣の深さが凄く関係してると思うんだよなぁ。こないだ見て感銘を受けたルメットの『その土曜日、7時58分』もそう思わせる作品だった。勉強、勉強。勉強ばかりしてても仕方ないけど、でも勉強。そして書く。
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2009年08月30日

Morrow

選挙行って、買い物行って、あとは泥のように眠った。腱鞘炎なのかどうか、右腕が肘から指先までひどい痛み。マウスを握るのも辛い。選挙特番をダラダラ見ていると、小泉チルドレンや馴染んだ顔の自民党議員らが消え去り、見たことも聞いたこともないような民主党議員たちが雨後の筍のごとく顔をそろえていく。まるでオセロみたい。なにはともあれ、色々なものがゆるゆると壊れていくのは良いことだと思った。壊れたら作り直さないといけないから。どうせ頼りない未来なんだから。
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2009年08月27日

「H」、プレビュー

「H」、プレビュー。

夏風邪がぶり返す中、夕方から某所で「H」、プレビュー。K監督×Nキャメラマンの映像マジックを堪能する。相当異色の映画に仕上がると思いますわ。やっぱ映画は女優や! プロデューサー氏とのめっさ緊張するご挨拶もアリ。『イサク』読まれてた。汗が出た。

その後、軽く飲む……はずが、予想通り軽くは終わらず。監督を送った後、今日もこれから撮影だというNさん、Sさんの撮影部コンビと、朝まで渋谷のマックで延々とお喋り。おもろくて眠気吹き飛ぶ。元より尊敬している方々なので勉強になるし、何より励みになった。

明日の「M」初号が終わり次第、当分の間、実家に帰るつもりだった。でもやめた。疲れてる場合じゃない。立ち止まってる場合じゃない。ここに踏みとどまり、書いて書いて書きまくろうと心に誓った。そうでないと今夜会ったような人たちには決して近づけない。がむしゃらに働こう。もう、エゴむきだしな感じで。
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2009年08月25日

これまでもこれからも、当面落ち着かない毎日が続く。昼、新宿で「I」打ち合わせ。一ヶ月かけて仕上げたプロットを、全部水に流すことにする。面白いアイデアがあれば、たとえそれまでの労力が水の泡となったとしても、そちらへシフトするべきだ。「面白がる」のがすべての基本と池島監督も仰っていたではないか。そのために多くを犠牲にしてしまうのは仕方がない。

ただまあ……早くも(こんな調子で年越せるんかな、俺……)なんて、漠然と。まあええわ。もう何も考えない。不安を感じたって、未来を思い悩んだって、ここまできたらすべてはもう手遅れなのだ。ごめんよ。

打ち合わせ終了後、次の打ち合わせが延期になったという連絡を受け、帰宅。少しだけ寝た。左耳の耳鳴りがあまりにもひどくて目が覚めた。ある問題が起きていて、いや俺に起きたわけじゃないけど、間接的に起きていて、それがさしあたりの解決を見たあたりで耳鳴りはすっと消えた。

みんなしんどい。でも生きていくしかないよ。嘘でもいいから希望を持ち続けるしかないよ。
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2009年08月23日

真夏の昼の夢

プロットあげる。内職あげる。別プロット取りかかる。どれも金にはならない。でも作業自体がどうしようもなく面白いし、もしかすると金になるかもしれない。と言いつつも、先送りしてきた人生設計とやらに、いい加減本気で取り組まねばなるまい。

疲れ果てて昼寝をした。里帰りした夢だった。山の上に宿泊施設があり、広いグラウンドが併設されていた。夕暮れ、俺はそこに出て、ジョギングを始めた。トラックの感触を知りたかった。日が落ちかかっていて、トラックも空の色も同じくすんだ茶色だった。走っていると、野球部員がどやどやとなだれ込んできて、それぞれが俺のいる方に向かって、ボールの遠投を始めた。無数のボールが空高く舞い上がり、どんどん近くに降ってくる。(迷惑な奴らだな!)と不愉快になりながら、ボールの雨を避けてグラウンドを出た。そこに、中学時代の友人、佐藤くんがいた。

彼は豆腐屋の倅で、柔和な人だった。久しぶりだったので、近況を尋ねた。俺は彼が実社会でうまくやっていけるのかどうか、不安に思っていた。彼はナントカ会館というところの売り場で働いているらしく、「ブリーフ姿でブリーフを売っている」のですごく客に受けがいいという。「じゃあけっこう楽しくやってんだ。安心した」というと嬉しそうにしていた。そこへ、工業高校時代の同級生で吉田くんというちびっこが現れた。特に仲が良かったわけではないが、不仲でもないという半端な付き合いだ。吉田くんの顔ははっきり覚えているんだけど、彼はなぜかちっぽけなお人形になっていた。顔も色紙で覆い隠されていて、漫画「魁!!クロマティ高校」に出てくるメカ沢君の弟、メカ沢βみたいな感じのキャラクターになってしまっていた。俺は同級生の動向なんてもう十数年聞いたことがないので、「超不幸な奴とか、あるいは超幸せな奴とか、ぶっ殺された奴とか、死んだ奴、そういうやつはいないの?」と聞いた。すると佐藤くんが急に真面目な顔になり、「だったらアレがあるけど……」と言いかけた。すると吉田くんが「お前アレ話すのかよ」と佐藤くんをけん制した。吉田くんはいい人だけどワルなのだ。すると佐藤くんは気まずい顔になって口をつぐんだ。俺がニヤニヤしながら「何、何」と尋ねたら、「お前、そういうこと知りたがるなよ」と吉田くんから脅し気味の口調で言われた。なんだか不機嫌なので、質問をやめ、これから町に行って遊ぼうという話になった。

俺は吉田くんを抱っこしてあげて(夢の中の彼はそれくらい小さかった)、トロッコみたいな乗り物に乗って坂道を下った。さっきの「アレ」の話題以来、妙に不機嫌な吉田くんに、九字を切った(手印を結んだわけじゃない、略式みたいなやつだ)。夢の中で九字を切ったのは初めて。でも彼はそれでずいぶんと気が楽になったらしく、「お前、かわいいな」と俺に言った。「でしょ?」と俺は冗談めかして答えた。でも俺はお人形の吉田くんのほうこそかわいいと思っていたのである。
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2009年08月22日

星たちが降ってくる

(あれ、もう秋か……ずいぶん早いな)。宵の通りは秋のような涼しさだった。空を見上げると、紅色に染まった雲がまだら模様をなし、夜の側には豊かな星が燦然とまたたいている。澄み切った秋の空だから、こんなにも星がきれいに見えるのか……と思ってよく見ると、星ではなかった。何十、何百というセスナくらいの大きさの小型飛行機が、まるで秋のトンボのように、空をくまなく飛び交っているのだった。誰にでも操縦可能らしく、今も、車道から一機が飛び立っていく。地方から来たらしき女の人たちが、珍しがって、空を背景にした写メを撮っていた。小型飛行機は黄色い光を放ちながら飛翔するが、空高く舞い上がると急に光を失う。見ていると、光を失った一機の飛行機が、錐揉みしながら小さな教会らしき建物に墜落した。それが合図だったように、宙に浮いていた飛行機があちこちで落下し始めた。「星が降ってくる」と思った。危機感を煽る、パニック映画のサントラが聞こえてきた。地上のみんなもようやく異変を察し、悲鳴をあげて逃げ惑う。飛行機は次から次へと墜落し、通りをパニックに叩き落とした。車道を猛烈な勢いで滑ってくる破損した機体から、俺は通りに立つ物販店の看板を楯にして身を守った。やがて、数十メートル、いや数百メートルはあろうという細いからだの巨人のようなものが、人間どもを見下ろしながら長い棒で地面をつつき始めた。自分の存在を巨人に見つかると、その棒でつつかれる。見つからないようにあちこち隠れていたが、出来心で、ディスカウントショップにおいてあった広告用の長いポールを使い、巨人を叩いてみた。巨人は激怒し、俺を三十回、棒でつつくと宣言して、「一、二、三……」と律儀に数を数えながら俺の胸をつつきまくった――俺は心臓が苦しくなって目が覚めた。

最近、徹夜続きだったり、煙草の吸い過ぎだったり、片頭痛が始まったり、思い悩むことが多かったりで、毎晩、寝苦しい。だからひんぱんに夢を見る。しかも際立って色彩が鮮明になってきた。美しい色が多い。輝きが多い。これまで夢に色彩を感じたことはあまりなかった。これは吉兆だと思っていたが、星が落ちる夢なんて凶事の前触れ以外のなにものでもないんじゃないか。みんながいついつまでも、幸せでありますように。
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2009年08月20日

女と映画は捨てていく!

メンズサイゾーのソクブンさんのインタビューがベラボーに面白い。なんとなく格言好きな人だとは思ってたけど、そこに突っ込むインタビュアーもまた凄い。

http://www.menscyzo.com/2009/08/pv.html

「神話をつくるんだよ、映画ってのは」という言葉もかっこいいけど、「女と映画は捨てていく!」だってよ。一度でいいから俺も言い切ってみたい。


「女と映画に捨てられる!」のがわたしの現実。せめて映画にだけは捨てられたくない。
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2009年08月16日

橋、川、サム・シェパード

橋、川、サム・シェパード。のイメージで早朝4時に目が覚めた。絶対忘れちゃいけないと思って、ご丁寧にケータイからPCのアドレスに文字打ちこんでメールまでした。橋はレンガ造りの頑丈そうなものだが、花々や光によって、穏やかな虹色に優しく彩られていた。印象派のなんとかって有名な絵画に似ていた。川は流れが速くうねっていたが、びっくりするほどきれいに澄んでいた。サム・シェパードは視覚ではなく概念として在った。俳優ではなく劇作家としての意味合いが強かった。あの虹色の橋に辿り着きたい――。そんな感慨がやけに強く刻みつけられる夢だった。そう、橋に辿り着かずに夢は終わったのだ。でもあまりにも美しい光景だった。

現実的には落胆とため息の一日でした。

呪文のように繰り返す。橋、川、サム・シェパード、橋、川、サム・シェパード、橋川サムシェパード……。
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2009年08月15日

カルト、象徴としての死を死ぬ

こないだ「H」のロケ帰りの車の中で、ある役者さんが言った。

「実は昨日、三年ぶりに元カノから電話かかってきて、僕が事故で死ぬ夢を見たって言うんですよ。だから気をつけてねって。縁起でもないけど、口に出したら、厄っていうんですかね、そういうのが落ちるかもしれないんで、今、言ってみました」

「へえー」なんて応じていたが、鳥肌が立った。実は俺もロケに来る前の数日間、何となく死の匂いを感じていた。地震が続いていたこともたぶん関係している。なんせ、感覚的なものだ。近いうちに死ぬような気がして仕方なかった。(うわー、予感的中しちゃったよ)と暗い気持ちで車に揺られた。

運転手に問題はないと思う。きっと衝突事故や大地震なんかに巻き込まれるんだろう。みんな一蓮托生だ。車には大好きな女優Sさんもいたから、それはそれで悪くないと思った。遺作がK監督との共同脚本かぁ。自分としては出来すぎだ、これも悪くない。心残りはプロット段階のものが数本あること。特に「T」はうっちーとの渾身の企画で、いい感じに話が進み始めたばかりだった。ロケに行く前夜に会って、伝えるべきことは全部伝えておいた。だから、まあいいかと思えた。そういや、その数日間に会った人にはみんなそんな風な接し方をしていたような気がする。実は何年か前にもこういうことがあった。あのときは霊感人間の松男が敏感に察して、地元に帰る俺をわざわざ駅まで見送りに来てくれたんだった。まるで今生の別れのような顔をして。つまり、こういう感情というか状態って、他者と共有できるものなのだ。たまーにだけど。

で、言うまでもなく今日も俺は生きている。いいこともイヤなこともある一日だったが、とりあえず生きている。本当に、あの役者さんが不吉な話を口に出してみたことによって、厄が落ちたのかもしれない。それに、すべては単なる偶然と思い込みの産物だったと考えるのが良識ある大人の態度だろう。

しかしこうも考えられる。

ひとは象徴としての死を繰り返す生き物のような気がする。本当に死ぬ代わりに、心や魂を一度殺すのだ。この夏のふわふわした精神状態は、肉体的な死ではなく、魂の死と再生、その作業の渦中にあるということの証左ではないのか。古い魂から脱しようとしているのか、あるいは、「カッコつけながら落ちているだけ」なのかよくわからないが、あまり悪い気はしない。こういう感覚もまた初めてではないのだ。そしてその後、自分が成長したという実感はあまりないのだが、以前とは世の中を違った風に見ているという感覚は少しだけある。

夕べは怒り狂っていたせいか、カッカ、カッカしてよく眠れなかった。深夜、変な夢で目を覚ました。夢の中に、卑弥呼のような格好の女性が現れた(いやまあ、卑弥呼見たことないからようわからんのだけど)。その女性は神の血を引いていると自称しており、夢の中での自分の理解によれば、どうやら神道系のひとらしい。現代風の顔だちで、屈託のない笑顔がかわいらしかった。で、彼女はどうやら俺の生命を吸い取りにきたらしい。それを俺に説明するんじゃなく、隣にいた知らない人に説明していた。彼女が俺の目の前を通り過ぎると、からだの中から「気」のようなものが吸い取られるのがわかった。生命を支える根源的な何かだ。力がどんどん抜けていった。金縛り状態だった。死んじゃうような気がして、必死に抗いつつも、(まあ仕方がないか……)と半ば投げやりな気分になっている自分がいた。それでもなんとか踏ん張って、その縛りを解いた。そこで目が覚めた。

(とうとう女神に会ってしまったよ……)と考えて、妙に可笑しかった。女神は何かを与えてくれるのではなく、何かを奪う存在なのだな、と考えると、妙にしっくりきた。女神が殺しにやってきた。そしてそれに抗った。抗うべきではなかったのかもしれない。わからない。いずれにせよ、所詮は夢だ。しかし、夢こそまこと、という考え方もあるのである。

当面、こんなおかしな状態が続きそうな気がする。たぶんお盆が終わるころまでは。

……つくづく思うけど、俺は発想がカルトだなぁ。
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2009年08月14日

荒れる

夕方、どうしようもなく苛立つことが発生して、ひとりで怒鳴り散らしながら過ごす。む、むなしい……。ただでさえ悩みが多いのに、ロクでもないことが常に発生する。カッとなると、ホント、すべてがどうでもよくなってしまう性質。俺には守るものが何もないとよ。どーなってもいいとよ……とかすぐ思い詰めてしまう。まあ実際何もないんだけど。自分でも重々それがわかっているから、なるべく日々を平穏に過ごしていきたい。でも、そうさせてくれないのがこの業界なのだ。ま、どんな業界でもそうなのかもしれないけど、この金銭に関するユルさはちょっと酷い。一年に数回、必ずこういう事態が発生する。誤解を招かないように言い添えておくけど、最近言及したいくつかの作品に関する問題ではないですよ。あたりまえじゃ。

嫌んなった。もうダメさ。だけどくさるのはやめとこう。日の目を見るかも、この俺だって!by憂歌団

……偉くなりたい。
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2009年08月12日

「H」、現場

K組「H」クランク・イン。昨日朝6時に元渋谷パンテオン裏に集合し、某所へ。きっかり24時間後の今朝6時、初日の撮影終わる。風に雨に灼熱のピーカンにと慌ただしい天候。おいら見学なので、ぼーっと突っ立ってるだけだったけど、疲れ切ってしまい、一瞬だけど、久しぶりに立ったまま眠ってしまった。撮影はまだ続く。

K監督が、名コンビであるNキャメラマンとどういったやり方で撮影しているのか、長年謎だった。監督の隣でモニター覗き込んで、その共同作業を目の当たりにして、あの独特の湿度を帯びた映像が出来上がっていくのを見て……感動した。女の人が歩いてるってだけで、なんでこんなにスタイリッシュ&エロティックなのよ! その密度に噎せ返った。(すっげぇ……)とため息が漏れた。

シナリオと撮影現場の関係に関して、こまかなことをいろいろ学んだんだけど、勿体ないから教えない。でも尊敬する人の創作の秘密を覗き見るって、大事だなと思いました。教えられることばかり。

過酷な現場だと思いますが、みなさま頑張ってください。ぶじにクランク・アップできますように。
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2009年08月08日

風邪、スローダウン

夏風邪引いてダウン。結局DT初日祝いももポレポレオールナイトも行けなんだ。みなさん、ごめんなさい。もう大人しく寝ます。
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2009年08月06日

「H」、衣装合わせ

朝から某所で「H」衣装合わせ。

駅構内の喫茶店で監督とばったり。製本されたシナリオを頂き、まずは監督とおいらとの共同脚本の並びを見て感無量。一年前はこの天才監督とお仕事できるだなんて想像すらしていなかった。さらにキャスト表を見て、思わず「おおお」と声が出る。嬉しいサプライズ。いえ、主演女優が誰かはシナリオの直し中に知っていて、一度ぜひお仕事出来たらと願っていた方ということもあり、そりゃもう興奮しっぱなしだったわけですが、それはともかく、わたくしの大好きな女優Sさんが、小さいながらも重要な役でクレジットされていた。嬉しかった。ホント嬉しかった。

Sさんとは本編デビュー前に一度お仕事させて頂いているんですが、その現場で、かわいらしさ、演技力、人柄にすっかり惚れこんでしまった方です。今年も冬に一度お会いしていて、「いつかまたお仕事ご一緒出来ましたら……」なんて言ってたのが、もうかなってしまった。どうしよう。自分にとって特別な映画が三本連続で続いてしまう。出会うべき人には必ず出会う、と改めて。Sさん、今日お会いして、やっぱりかわいらしい方だなぁとまた惚れ直しですよ、はい。

衣装合わせ後、約8時間、スタッフ・キャストの一部の方々と飲む。演出はすでに始まっているのだ。泣いても笑っても来週クランク・イン。すべてがうまくいきますように。
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2009年08月03日

裁く者も裁かれる

8月だ。海に行きたい。山に行きたい。どこか遠くの街へ運んでくれる電車に、何も考えずに揺られていたい。

長々と取り組んでいた内職一個片付ける。「A」改め「T」プロット片付ける。うっちーとガチンコで取り組んできた一年がかりの企画。頼むからうまくいってくれ。引き続き、このところかかりきりだった某プロットの仕上げに取りかかる。下調べと構想練ってるときがいちばん楽しい。一文字でも書き始めると大体落ち込む。自分の実力という現実を知ってしまうから。妄想と現実との間の著しい落差に泣かされるのはどんな場合でも同じ。泣きっぱなしの人生。

裁判員制度、ついに始まる。他人事ではない。借り物であってはならない、自前の意見、自前の倫理、自前の信念が、たとえ参考程度とはいえども、選出された者に強く問われていく。社会常識や市民感情という、実体のない不確かなものが、重大事件を犯した者を本当に断罪できるのかどうか。そのあたりが遍くすべての国民に突きつけられている気がして、物凄く興味深い。制度の是非については、正直、わからない。飲み屋で会ったある弁護士先生は「裁判員制度は新自由主義だ!」と激昂していた。制度が生まれた背景にはウラがあるということらしい。

制度自体の是非を問う以前に、一つだけ思うのは、「自分でものを考える」ということの難しさだ。情報を豊富に持っている者だけが強いのか。頑ななまでの信念を抱いている者が強いのか。神を見出した者はどうなのか。それがどんな思想であれ、どんな信仰であれ、偏り過ぎた感情であれ、自分自身で作り上げてきた信条を内に持つ者は絶対的に強い。そうでない者は弱い。それだけははっきりしている。もっと強くなりたい。

でも裁く者は裁くことによって裁かれる。人生は厳しい。厳しいほうが生きる価値があるってもんだとは、思う。
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2009年08月02日

今日僕は古い教科書を焼いた

涙をぬぐいながら……♪

ってフレーズが好きだった。少年ぽいなぁ。中島みゆき作詞「裸爪のライオン」。作曲はもちろんゴッキー。

なぜか工藤静香が絶賛リバイバル中。中学生の頃大好きだった。90年前後だよな。もはや20年前と言えるわけだ。笑うとくしゃっと崩れる顔が好きだった。折れそうに細い体が好きだった。幼さと甘さと濃厚な色気の入り混じった声。蕩けそうだった。ちょっとお水入ってるところが良かった。そういやヤンキー受けが異常に良かった気がするな。気持ちは分かる。

アルバムは『rosette』まで全部持ってた(それ以降はあんまり…)。楽曲が良かった。アダルトな感じがしてたんだよな。『恋一夜』とか、最初に聴いたとき立ちくらみ起こしたもん。エロすぎて。後藤次利は偉人。恥ずかしい過去だと思って自分でも封印してたけど、youtubeで聴いてると今でも全然イケるじゃん! やっぱこの声、最高だなぁ。日夜、PCの前で一人オタ芸を展開中。

……俺、疲れてんのかな。

さてさて、8月8日(土)の夜、ポレポレで下記のオールナイトが。『OLの愛汁』についてはしつこく言ってるわけですが、思い入れの深さが強いのは、やっぱ劇場公開版(DVDとは“何か”が違う!)を劇場で見たからっていうのがデカイのだ。“何か”のインパクトが強くて絶句したもん。マジで。必見です。それに「家族ケチャップ」……。伝説的な作品です。でも俺、結局見てないんだよな。スニークプレビューは……バレバレってなもんですが。


「松江哲明セレクションオールナイト」
8/8(土)開場23:45/開演24:00(終了5:00予定)
料金:前売り2000円/当日2300円
整理券番号付き前売り券2000円 ポレポレ東中野窓口で発売中

『OLの愛汁 ラブジュース』
ピンク映画史上最も優しい光と、姉貴的立場の林由美香が若いカップルを見守る90年代の日本映画を代表する名作。「山田花子の気持ちが分かる」同級生に馴染めない大学生と、そんな問いに「お笑い芸人の?」と真顔で答えるOLの「そこにありそうな」ラブストーリー。郊外の沿線、アパートの風呂場、そしてピンク映画…本作を見てしまったらそれらの見方が変わってしまうはず。商品化不可能のフィルム版(DVD版とは全く印象が異なる)が東中野で復活!!

『双子でDON』
セックス終了までの行程で、双子のAV女優が何回か入れ替わったとして、男優は気づくことができるのか?かつての代々木忠、平野勝之、そして松江へと受け継がれた「仕掛け」AVドキュメントの快作。哀れターゲットとなった天性のセックスマシン・花岡じったの運命や如何に?かくして、双子の天真爛漫なキャラとチープな音楽によるほのぼのムードの中、実験は始まった…!

『家族ケチャップ』
仏壇の前で母親に小便をかけるというショッキングなシーンから始まるセルフドキュメンタリー。しかし、映画が進む内にそれが「家族とは?」との問いから発した行動であることが分かる。だからこそリングでガウンを着た一家が熱唱する「もしも明日が…。」には号泣必至。また本作は被写体が「撮らないでくれ!」と発した時こそドラマになるという事実を証明した恐ろしい作品でもある。PFFで大島渚を激賞させた学生映画の枠を超えた最強傑作。

『松江哲明最新作(スニークプレビュー)』
演出・構成:松江哲明 74分。09年に撮影されたばかりの松江哲明最新作を特別上映。映画と音楽の奇跡をオールナイトのラストに。
posted by minato at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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